さまぁ〜ずライブ1年10カ月ぶり開催

 最もチケットが取りにくいお笑いライブとして知られる「さまぁ〜ずライブ」が、6月に1年10カ月ぶりに開かれることになった。結成から20年、舞台から離れずにキャリアを積んできた2人は「コントが本職だし、今のさまぁ〜ずを見てもらう大好きな場所」と、オール新ネタの構想を練っている。「帰る時にステキな気持ちに」と、さまぁ〜ずらしい世界観を約束している。
 1年に1回のペースで行うさまぁ〜ずライブのチケットは、発売開始5分で売り切れるプラチナチケットでもある。「何回もやると飽きちゃう」という彼らが初めて3日間4ステージという“長丁場”に挑み「1人でも多くのお客さんを笑わせたい」と意気込む。
 過去には、夏らしさの過剰演出で暴走する温泉旅館の従業員、MサイズのTシャツだけ異常なデザインをする女デザイナー…。紳士的だがあらぬ方向にぶっ飛んでいる大竹テイストの珍キャラがボケまくり、三村が突っ込みながら巻き込まれていく。脈絡なく見える4〜5本のコントには小さな接点が設けられ、最後に鮮やかにつながる。大いに笑わせ、ホロリともさせる、短編連作集のような後味がさまぁ〜ずの世界観だ。
 三村マサカズ(39)は「寅さんじゃないけど、笑いあり、涙ありのハッピーエンドが好き。『見て良かった』って、お客さんにステキな気持ちで帰ってほしいじゃない」。主に台本を書く大竹一樹(39)は「個々のコントが切ない何かでつながっているというのはずっとやってきたスタイル。ホロリの後のひと笑いがバチッとキマると気持ちいいんですよね。笑いって、悲しそうな所にしかないでしょ。幸せな夫婦の幸せな話聞いても笑えないけど、その夫婦が靴下1つでモメていたら笑えますもん」。
 「とにかくネタが好き」と語り、ライブへの思いは格別だ。今でこそレギュラー番組9本を抱える売れっ子だが、すべてのレギュラーが一瞬にして消えた90年代後半の不遇時代を支えたのもライブだった。大竹は「きつい時もライブのチケットはすぐ売れた。僕たちのネタを見たいと思ってくれる人がいっぱいいるという自信だけが支えになった」。20年間、ライブでは常に新ネタをかけ、使い回しはしない。2人は「『出た!、往年の!』じゃイヤなの。今のさまぁ〜ずが面白いと思うものはコレです、という発表会だから、オール新ネタじゃないと意味がない」と話す。
 現在は、ネタ作りの“ネタ脳”に切り替えるため、あえて何もしない時期という。三村がネタの外枠を考え、大竹が台本を練るのが長年のパターンだ。大竹は「ゼロから1を生み出すこいつ(三村)の作業が一番大変なわけで、全体的な負担は半々も同然」。直球で信頼を語ってはお互いをじろじろと見るコンビネーションだけで、場に笑いが生まれる。
 ライブでは、4〜5本のコントを披露する予定。「1番僕らが生きてる場所だと思うのでぇ〜、ぜひぃ〜、1度ナマでぇ〜」。もみ手で心待ちにしている。

行きてぇなぁ〜(;_:)